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第4回「バックスイングでは、肩を回さない」

バックスイングでは、「肩を回さない」ようにしましょう。「肩を回す」と、上半身に力ばかり入ってしまいます。

私たちは、腰から太ももを一体とイメージして、そこからねじってバックスイングしていくように指導しています。

肩よりも下部にある腰や太ももからねじれば、肩は、自然に回ってきます。

つまり、肩は「回す」のではなく、「回る」のです。

肩を回したバックスイング、肩が回ったバックスイング

写真左が、「肩を回した」バックスイング、写真右が、腰や太ももからねじり上げた肩が「回った」バックスイングです。このフィーリングを、初心者の段階から実践していくことをおすすめします。

スイングする際、意識を太ももと、腰や腹筋に持っていってください。緊張すると人間は、頭に近いところに意識が行ってしまうものです。それが、「アガる」、「地に足がつかない」状態と言われます。

ゴルフスイングでは、人間の身体のように細長い物体が早く回転するのですから、「下」に意識(重心)が必要です。鼻から「フンっ!フン!」と何度も強く吐きながらアドレスに入っていくと、意識が下に下がっていくのが実感できるでしょう。

スイングをする際に、意識が「下に(腰や太もも)」に行くように習慣づけましょう。何度も何度も、ちょっとした隙間時間にやりたいものです。

むしろ、クラブを握らずにこの練習をしたほうがいいと思います。「意識を下に」が習慣になるまでは、クラブを持つと、どうしても意識や神経は上半身へと行ってしまうからです。

スイング中全体に渡って、特にバックスイングでは、息を吐きながら上げていきましょう。息を吸いながら、と教える人もいますが、倶楽部ゴルフジョイでは、「息を吐きながら」とレッスンしています。吐くと筋肉は弛緩します。

深呼吸をすると実感できますが、息を吸うと、肩がいかり肩になり、吐くとなで肩になります。スイング中は、なで肩がいいのです。

ゴルフスイングは、前傾姿勢や膝の角度を保ったまま、ねじる&回転していくので、「ストレッチ」と「スクワット」の組み合わせとも言えます。いずれも、息は吐いたほうがラクで効果があるのは言うまでもないことでしょう。

バックスイングのコツとして、左ひざを、少し右ひざに寄せていくようにすると、ダウンスイングからの下半身の踏み込みが使えます。よく、下半身は動かさず、「上半身と下半身のねじれ差で」などと聞きますが、プロゴルファーのように、股関節と肩周りが相当柔軟で可動範囲が広くないと無理なものです。

バックスイングのコツ:ひざの様子

右ひざは、しっかり曲げたまま(上の写真を参照)、左ひざを右ひざに寄せながら、腰は45度くらい右に向けましょう。身体が硬い人は、左足かかとを少し浮かせるといいのです。

「バックスイングの腰の回転は30度」なんて、アスリートのような身体能力の人くらいしかできません。

自宅やオフィスでできる簡単なストレッチとして、イスに座って、右腕は腰の裏に回し、左腕だけでバックスイングの形を作るストレッチが効果的です(下の写真を参照)。左肩をしっかりアゴの下に入れましょう。両手で行うと、手先で引っ張りあげてしまうので、左腕だけで、というのがポイントです。

効果的なストレッチ

手先で引っ張って上げていたバックスイングから、胴体でねじり上げていくバックスイングに進化していくのが理想です。上半身の力が抜けるから、グリップもやわらかく持て、肘と手首のスナップも使えます。

胴体でねじりあげたら、胴体のねじり戻しからダウンが行われるのが人間の身体です。自然に下半身からダウンスイングが始まり、スイングの動作順序が正しく行われます。

カン違いしないでいただきたいのは、腕を自由に、やわらかく使うために胴体でねじり上げていくのです。腕を使ってはいけないのではありません。腰や太もも付近が主体の、胴体でバックスイングを上げることにより、上半身の操作性が高まり、腕の使い方が良くなるのです。スイングでは、やはり、腕は使わないといけないのです。

ゴルフスイングとは、手でクラブや胴体をねじり上げるのではなく、感覚的には、「胴体をねじり上げたら、腕やクラブがついてきた」という状態が一番いいのです。

このバックスイングだと、上半身は脱力できているので、ダウンスイングからの腕の感覚(操作性)が失われず、降ろしたいところにダウンスイングできます。手の引っ張りで勢いをつけて上げたバックスイングは、クラブが上がり過ぎたりして、スイング軌道から外れてしまいやすくなります。

今まで、手でバックスイングを引っ張り上げていた方には、感覚の移行に手こずるでしょう。メゲずに、何度も繰り返して練習してください。違和感がありますが、この感覚をつかめば、再現性の高いゴルフスイングができるようになります。コラムの第1回を再読してみてください。あなたなりにコツがつかめることでしょう。

倶楽部ゴルフジョイ
代表 礎 康之